福寿草になった少女


   福寿草になった少女 4


「私たちには、もうこどもが授か
らないのかしら」
「いや、そんなことはない。二人
で一心にお願いすれば、明神さま
が元気なこどもを授けてくださる
にちがいない」



二人は、いつかこどもが授かると
信じ、毎日明神さまにこどものこ
とをお願いしていました。
しかし、何年たっても、こどもは
授かりませんでした。



二十年が過ぎました。
二人とも、四十すぎになりました。
「もう年だから、こどもは無理ね」


        つづく