2017-01-30 福寿草になった少女 童話 福寿草になった少女 18 春がきたといっても、山の春は遅く、 木の芽がほんの少しふくらんでいる だけです。 どこをさがしても、黄金色の花など、 ひとつもありません。 枯葉が一面に落ちているだけでした。 福の足音と、鈴の音だけが、静かな 山の中にひびきわたります。 どのくらいの時間がすぎたのでしょ うか。 あたりがなんとなくうす暗くなって きました。 福がでかけた時は、からりと晴れて いたのに、今にも雪が降ってきそう でした。 つづく