福寿草になった少女


   福寿草になった少女 19


しばらくすると、雪がちらちらと
舞いはじめました。
「早く家に帰らなくては。とうち
ゃんとかあちゃんが、心配してい
るだろう」



福は、山をおりようと思いました。
しかし、一日じゅう山の中を歩き
回ったせいか、もう一歩も歩けま
せん。
福は、枯葉の上に腰をおろしました。
そして、いつの間にか、うとうとと
ねむってしまったのです。


        つづく