貴公子たちの求婚 3
五人の男とは、石作の皇子・くら
もちの皇子・右大臣安倍御主人
(あべみぬし)・大納言大伴御幸・
中納言石上(いそのかみ)磨足で
した。
普通の人でも、「あそこの娘は、器
量よしだ」と聞けば、その娘をひと
めみたいと思うのは無理もありま
せん。
この五人は、どんな手をつかっても、
かぐや姫をみたいと思う気持が強か
ったのです。
ろくに食事もしないで、かぐや姫の
家へやってきて、家の前に立ったり、
家のまわりをぐるぐる歩きまわった
りしました。
でも、かぐや姫をみることはできま
せん。
つづく