竹取物語


   貴公子たちの求婚 2


召使いたちに、「せめて伝言を」と
お願いするのですが、誰も相手に
してくれません。
かぐや姫の家の前から離れようと
しない男たちは、昼も夜も一日中、
かぐや姫の家のまわりで過ごしま
した。



しばらくすると、多くの男たちは、
用もないのに家のまわりを歩きま
わることは迷惑だろうと思い、か
ぐや姫の家へこなくなりました。



男たちの中で、かぐや姫の家に居
続けたのは、五人。
五人は、かぐや姫への思いが消え
ることなく、昼となく夜となく、かぐや
姫の家へやってきました。


         つづく