くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 14
少しでも早く帰って、かぐや姫に
この枝をみてほしいと思いました。
船にのると、追い風が吹き、四百
余日で帰ってくることができました。
仏さまが守ってくれたのでしょう。
昨日、難波から都へ帰りました。
海の水でぬれた衣を着替えもしな
いで、こちらに直接きたのです。
おじいさんは、皇子の話を聞き、
大変な思いをして、玉の枝をとっ
てきたのだなと思いました。
皇子の話を聞き、おじいさんが詠
んだ歌。
くれたけのよよのたけとり野山にも
さやはわびしきふしをのみ見し
つづく