竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 15


皇子は、おじいさんの歌を聞き、
歌を返しました。


 我が袂今日かわければわびしさの
 千種の数もわすられぬべし



二人が話をしていると、金工が六
人、庭へやってきました。
そして、一人が、文ばさみに文を
はさんで訴えました。



「内匠寮(たくみづかさ)の金工、
綾部の内麻呂が申し上げます。玉
の木の枝を作るために、五穀を断
ち、毎日神仏に祈りながら、千日
あまり玉の枝の制作をしました。


        つづく