竹取物語


大伴御行大納言と龍の頸の玉 12


「神様、どうかわしの話を聞いて
ください。わしは、かぐや姫が望
んだ龍の頸についている玉が欲し
くて、龍を探し殺そうとしました。
もうそんな恐ろしいことはしません。
神様、どうか許してください」
大納言は、立ったり座ったりして、
千回位神様に祈りました。



祈りがきいたのか、やっと雷が鳴
りやみました。
でも、まだ強い風が吹いています。
「やはり、龍のしわざだったのだ。
今吹いている風は、よい方向に向
かって吹いている」
大納言は、船頭のことばも、耳に
はいらぬようでした。


          つづく