竹取物語


大伴御行大納言と龍の頸の玉 17


きれいな糸を使ってふかせた屋根
は、鳶や烏が巣を作るために、全部
くわえて持っていってしまいました。



世間の人は、いいました。
「大伴の大納言さまは、龍の頸の
玉をとってきたのかい」
「いや、玉などとってこない。それ
どころか、まなこに二つの李のよ
うな玉をつけて帰ってきたそうだよ」



「ああ、その李は、食べることが
できない」といったことから、世間
の道理に合わない、常識はずれ
のことを「あな、堪えがた」という
ようになりました。 


       つづく