竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 6


「じいは、迎えにきた人を、長い
爪で目の玉をつぶし、髪をつか
んでつき落してやる。そして、尻
をまくって、帝の兵士たちにみせ、
はじをかかせてやる」



「じい、そんな大きな声を出さな
いでください。屋根の上にいる兵
士たちに聞かれたらはずかしいで
すよ。大切に育てていただいたの
に、月に帰ってしまうことは、ほん
とうに残念です。前世からの宿縁
がなかったために、まもなく月に
帰らなくてはならなりません。


        つづく