竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 7


お世話になったのに、二人に何の
お礼もできなかったので、月の王
にお願いしました。せめて今年だ
けでもここにいさせてくださいと、
休暇の延長をお願いしたのですが、
許可されませんでした。



二人に心配をかけてしまったこと
が悲しいです。月の都の人たちは、
すばらしい人ばかりで、老いるこ
とがありません。悩み事もありま
せん。そんないい所へ帰ろうとし
ているのに、私は少しもうれしく
ありません。二人が老いていく姿
を見守ってあげることができない
ので、後髪をひかれるような気が
します」


          つづく