竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 17


「ちょっと待ってください。天の
羽衣を着ると、心が変わってし
まいます。ひとこといっておかな
くてはならないことがあります」
「姫、早くしなさい」といって、天
人たちがいらいらして待ってい
ます。



姫は、帝に手紙を書きました。
「このように、おおぜいの兵士を、
派遣していただきありがとうござ
いました。みんなで、月からの迎
えをとめていただきましたが、月
から迎えがきて、これから月に帰
ります。



くやしくそして悲しいです。帝のお
そばにお仕えできなかったのも、私
が月の国の人だったからです。命
令に従わない無礼なやつめと思わ
れているのが、ほんとうに残念です」


         つづく