竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 18


  今はとて天の羽衣着るをりぞ


  君をあはれと思ひいでける



かぐや姫は歌をつけ、帝への手紙
に、壺に入った不老の薬を添えま
した。
そして、帝に献上するようにと、頭
中将を呼び依頼しました。
中将が、壺を受け取ったので、天
人がかぐや姫に天の羽衣を着せま
した。


すると、ふしぎなことに、悲しい
気持やなごりおしい気持が、かぐ
や姫の心からすっと消えてしまい
ました。



姫は、月の車に乗り、百人ほどの
天人と一緒に、月の世界へ帰って
行きました。
帝の兵士・二千人とおじいさん・
おばあさん・使用人たちが、かぐ
や姫を見送りました。


         つづく