2018-01-06 開善寺の早梅の精 童話 開善寺の早梅の精 18 女の人は、「ちぎりをかわす相 手が梅の花ならば、翌朝はとて もよい香りが残っているでしょう」 とよんだのでしょうね。 女の人は歌を読むと、静かに奥 へ消えていきました。 どのくらいの時間がすぎたので しょうか。 文次が目をさますと、美しい女 の人も、おいしい酒も、料理も 消えていました。 文次は、一人ぽつんと、梅の木 の下に立っていました。 つづく