開善寺の早梅の精


   開善寺の早梅の精 19


梅の花が、月あかりに照らされ
美しくみえます。
何事もなかったかのように、梅
の花の香りが、あたり一面にた
だよっていました。



東の空が、だんだんに明るくな
りました。
「ちゅん、ちゅん、ちゅん」
すずめのなき声も聞こえます。



「わしは、夢をみていたのだろ
うか。美しい上品な女の人、舌
がとけてしまいそうなうまい酒、
おいしい料理。あれは、夢だっ
たのだろうか。


         つづく