女神さまからのおくりもの


   それぞれの思い 16


吉衛門は、清太にお願いしました。
「庄屋さま。今日一日だけ、この家
にいさせてください。私は、おじょう
さまと白駒に、それとなくお別れが
したいのです」



「清太。今日、一日だけだぞ。明
日の朝早く、みんながおきないう
ちに、この家を出て行ってほしい。
きよには、何もいわないでおくれ。
たのむ、清太」
「わかりました」
清太は、心ならずもそう答えました。


      つづく