古事記神話「古事記物語」100
大国主命
国譲り 8
今度ことわっても、「譲ります」というまで、何
度でもやってくるにちがいないと思いました。
言代主神は、小声で大国主命にいいました。
「私は反対です。でも、父上がこの国を譲りた
いと思うならば、私は何もいいません。父上に
お任せします」
そして、大声で返事をしました。
「父上。この国を、天照大御神の御子に譲った
らどうでしょうか」
そういうと、言代主神はのってきた船をふんで
かたむけ、天の逆手を打ちました。
すると、その船は青々した柴垣になりました。
言代主神は、大国主命にむかって頭をさげると、
柴垣の中へかくれてしまいました。
つづく