[童話]古事記神話「古事記物語」
海彦山彦 7
「さあ、この舟に乗りなさい。わしが舟を押す
から、しばらくそのまままっすぐに行きなさい。
そうすれば、よい潮の道がある。その道にそっ
て行けば、魚の鱗のように並んだ大きな宮殿が
ある。それが、綿津見神の宮殿じゃ」
「綿津見神とは?」
「海の神様じゃ。宮殿の入口に、大きな井戸が
ある。そのそばに、桂の木があるので、木に登
って待っているがいい。そうすれば、海の神様
の娘がそなたをみつけてくれるだろう。そして、
相談にのってくれるだろう」
「ありがとうございました。では、海の神様の
所へ行ってきます」
「山彦よ、気をつけていくのじゃよ」
塩椎神は、山彦の姿がみえなくなるまで見送っ
てくれました。
つづく