古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」


古事記神話「古事記物語」122


海彦山彦 6


そこへ、塩椎神(しおつちのかみ)が通りかかり
ました。
「山彦よ、なにを嘆いているのじゃ」
「私は、兄と道具の取り換えをしました。そして、
兄が大切にしているつり針をなくしてしまったの
です。自分の剣でたくさんのつり針をつくり、許
しをこうたのですが許してくれません。元のつり
針でなくてはだめだといって、つり針を受け取っ
てくれないのです」


「そうか。そんなことで悩んでいたのか。わしに
いい考えがある」
「ほんとうですか」
塩椎神は、細かく編んだ竹の籠で、舟を作ってく
れました。


         つづく