竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 28


「おじいさん。昨夜、すごい雷がなったわ。ごろごろ
っと大きな音がして、ぴかぴかっと稲妻が光ってい
た。そして、ぴしゃっという音がして、どこかへ雷が
落ちたようだった。こわかったわ」
「雷は、こわいね。その雷も、わしらがやっているの
じゃ」
「雷も?」


「そうじゃ。小さな雷は、火竜と水竜の二頭でやる。
昨夜のような大きな雷は、何頭かの竜が集まってや
るのじゃ。一昨年、北海道では、大きな竜巻があっ
たね。百軒近い家が、あっという間にふきとばされ、
何十人もの人がなくなった。
  

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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