竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 27


「薫風?」
「薫る風と書いて、薫風じゃ」
「夏に吹く涼しい風。体がこごえてしまいそうな冬の
北風、台風の時のあらあらしい風、竜巻のうずを巻
くような強い風」
「そうだね。ほかにもいろいろな風があるね。どの風
も、わしらが吹いているのじゃ。風だけではないぞ。
雨や雪なども、わしらが降らすのじゃ」
「雨や雪も?」


「そうじゃ。わしらは、雨を降らせ、風を吹かせて、米
や野菜などがたくさんとれるように、人間たちに力を
かしているのじゃ」
  

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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