竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 26


その時、「ぴゅぅー」と、涼しい風が吹いてきました。
「かな。この風は、だれが吹いているか、知っている
かな」
「だれが吹いているの」
「竜が吹いているのじゃ」
「竜が?」
「そう、神様の許しをえて、わしらが吹いているのじゃ。
風といっても、いろいろな風があるね。どんな風があ
るかな」


「五月、青葉が美しいころに吹く風。私、この風が大
好き」
「その風を、なんというか知っているか。薫風というの
じゃ」
  

       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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