黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  7


そんなある日。
「明神さま。このごろ、奥さんの顔をみかけないけれ
ど、奥さんは元気かのぅ」
「ああ。元気じゃよ。妻は用事があって、里へ帰った
のじゃ」
「それにしても、長いのぅ。奥さん、どうかしたのかね」
「どうもしないよ。今に帰ってくるじゃろ」
奥さんのことをたずねると、明神さまはなぜか困った
顔をしました。


「明神さまと奥さま、けんかしたのではないかしら。そ
して、奥さまが家をでていってしまったのかもしれな
いよ」
「まさか・・・」
「あんなに仲のいい夫婦ですもの、けんかなんかし
ないでしょ」


             つづく