段差


左足を怪我してから、一年七ヶ月たつ。
杖なしで歩けるようになったが、車に
乗ったり、長い時間歩くと足が痛い。



最初、医者は「二ヶ月位でなおります
よ」といった。 ところが少しもよく
ならない。
「どのくらいたてばなおりますか」と
聞いたら、「長くかかりますよ」と。
話が違うではないか・・・と思った私。



半年位は、足を上にあげたいと思って
も、足が五センチ以上あがらなかった。 
階段をのぼりたいと思っても、二階へ
あがっていけない。
しかたがないので、あがる時ははって
あがり、降りる時は腰かけた状態で一
段ずつおりていた。 



左足を怪我をしてみて、体の不自由の
かたの気持がよくわかった。
一年七ヶ月たった今は、てすりにつか
まらずになんとか階段をのぼることが
できるようになった。



足を怪我をして一番困ったことは、風
呂に入る時。
洗い場と浴槽との段差は、約50センチ。
五センチだって足のあがらない人が、浴
槽の中へはとても入れない。 いろいろ
工夫して浴槽の中へ入ろうとしたが駄目
だった。
暖かい季節はシャワーですませていた
が、冬場はシャワーだけでは寒い。 
それが一番困った。



七ヶ月位たって、やっとの思いで浴
槽の中へ入った時はとても嬉しかった。 
体の不自由な人が、風呂に入る時の苦
労が、身にしみてよくわかった。 
この頃やっと何もつかまらずに浴槽に
入ることができるようになった。 
それだけよくなったということか・・・。  
しっかりリハビリをして、早くよくな
らなくては。