ライオンめざめる


ライオンめざめる12


「神さま、ライオンはなぜ小さくされてし
まったのですか」
かなは、神様にたずねました。
「このライオンはのぅ、二千年位前、西の
国の王妃がかわいがっていたライオンなの
じゃ。ある日、ライオンは魔法をかけられ、
小さくされてしまったのじゃ」



「じゃあ、ライオンはなぜいたいよぉって
ないていたのですか」
「それはのぅ、魔法をかけられた時、魔法
つかいの杖で、何度も強くなぐられたのじゃ。
だから、体中が痛いのじゃろ」



すると、ライオンが話し始めました。
「王妃はかなしがって、小さくなった私を、
金のロケットにしたのです。
そして、王妃はなくなるまで私を大切にし
てくれました」
ライオンは、やさしかった王妃をなつかし
むようにいいました。


             つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。








信州の霧ケ峰高原を訪れた時に、「風の神様」
から聞いたお話。




http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511