[童話」福寿草になった少女


   福寿草になった少女6


女の子はつぶらなひとみで、じっと奥さん
の顔をみています。
そして、時々にこっとほほえみます。
「なんて清らかな目をしているのでしょう。
だんなさま、この子を我が家で育ててあげ
ましょうよ」



「そうだのぅ。明神さまがわしらにこの子
を授けてくれたのかもしれんのぅ」
二人は、女の子をわが子として育てようと
決めました。



そして、神棚の前へ、女の子をつれて行き
ました。
「明神さま、わしらにこんな可愛いこども
を授けていただき、本当にありがとうござ
いました。明神さまのこどもだと思って、
この子を大切に育てます」
二人は、明神さまに何度もお礼をいいまし
た。


 
「この子にたくさんの福が授かりますよう
に」
長者は女の子に、「福」となづけました。
「長者さまにかわいい女の子が授かったそ
うだよ」


つづく



童話「福寿草になった少女」は、守屋山の明
神様にまつわる、福寿草と少女の話。
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。




童話「福寿草になった少女」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に収
録されています。



http://www.bk1.jp/product/02434727