福寿草になった少女


福寿草になった少女16


福がたおれていた場所にたどりついた時、
二人は「あっ」と大声をあげました。
わずかに残った雪の中に、長者が・福が・
村の人々が、あんなにみたいと思った黄金
色の花が、一本咲いていたのです。



黄金色の花は、太陽にあたり、きらっきら
っと輝いていました。
それはひとえの黄金色の花でした。
「まあ、きれいな花だこと」
二人は、黄金色の花にかけよりました。



すると・・・。
「リーン・リーン・リーン」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
「福、福なのね」
奥さんの目には、美しい娘になった福の姿
が、はっきりみえました。


         つづく



童話「福寿草になった少女」は、信州の諏
訪湖の近くにある山・守屋山の明神様にま
つわる福寿草と少女の話。



信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
「風の神様からのおくりもの」シリーズ2



童話「福寿草になった少女」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に収
録されています。









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