女神さまとの約束


    女神さまとの約束8


黄金色の花がみつかったら、おとうさ
んをその場所へつれていき、養生させ
なさい。
そうすれば、おとうさんはじきに元気
になれるでしょう。



おとうさんが元気になったら、黄金色
の花が咲いている場所で、病人の世話
をしてほしいのです。
どんなことがあっても、けっして黄金
色の花が咲いている場所をはなれては
いけませんよ。



黄金色の花が、早くみつかるといいで
すね。八ヶ岳の女神より」
手紙には、そう書いてありました。
大雪の夜、ふくの家に泊まった女の人
は、八ヶ岳の女神さまだったのです。



「とうちゃん。待っていてね。
私、八ヶ岳へ行って、黄金色の花をさ
がしてくるから」
病気の父親を、一人残していくことは
心配でした。
でも、黄金色の花さえみつかれば、と
うちゃんが元気になれるかもしれない、
ふくはそう思ったのです。


           つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。