女神さまとの約束


   女神さまとの約束11


西天狗岳は、青天狗岳とよばれ、から
まつなどの針葉樹林が続いています。
森の中には、池もありました。
笹の林を通ると、「ヒンカララ・ヒン
カララ」と、小鳥が鳴いています。



「白駒。あの鳥は、何という鳥?」
「こまどりですよ」
「こまどり?こまどりの声って、初め
て聞いたわ。美しい声ね」
「女神さまは、こまどりやうぐいすの
鳴き声が、大好きなんですよ。おすは、
顔と胸が鮮やかなオレンジ色をしてい
て、きれいですよ」



「こまどりって、そんな美しい鳥なの
ね。いつかこまどりの姿をみたいわ」
「ふくさん。こまどりが、どんなふう
にさえずるか、教えてあげましょうか」
「どんなふうにさえずるの」


          つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。