女神さまとの約束


   女神さまとの約束26


部屋のすみには、ふとんや枕など、生
活に必要なものがおいてあります。
「ふくさん。この部屋は、以前女神さ
まが使っていた部屋です。



夏は涼しく、冬はとてもあたたかです
よ」
「いい部屋を用意していただきありが
とうございました。
女神さまにお礼をいってくださいね」



となりの部屋には、湯がどんどんわき
でていました。
「白駒。これ、温泉?」
「温泉ですよ。おとうさんがもう少し
元気になったら、温泉へ入れてあげて
ください。ふくさんも、どうぞ。この
温泉は、体があたたまって、気持が良
いですよ。じゃあ、私はこれで帰りま
す」



「えっ、もう帰ってしまうの?」
「用事があれば、白駒って、大きな声
でよんでください。すぐにとんできま
すから」
そういうと、白駒は女神さまの所へ帰
っていきました。


           つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。



「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。