白駒の池物語


  白駒の池物語44


このあたりに湖があったはずなの
に、なぜないのだろうと、長者は
ひとりごとをいっていた。
何ひとりごとをいっているのかな
と、ふしぎに思った」
清太は、きのことりに行った時の
ことを、きよに話してくれました。



「とうちゃんは、帰る道をさがし
て、森の中をあちこち歩いたみたい。
しらびそやこめつがなどの原生林
をぬけると、突然目の前に、大き
な美しい湖があらわれたそうよ。



もみじが真っ赤に紅葉していて、
目がさめるようだったと、とうち
ゃんが話してくれたわ」
八ヶ岳の森の中に、そんな美し
い湖があるんだね。
おらも、その湖をみたいな」



森の中にある青く澄んだ湖。
真っ赤に紅葉したもみじ。
そのもみじが湖にうつっている。
清太は、そんな景色を想像し、わ
くわくしました。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語43


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080918#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



「次の日」「次の日」と押せば、
「白駒の池物語」を続けて読む
ことができます。