風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの20


まゆは三才になりました。
まゆはまだねがえりができません。
ぺたんとねているだけです。
まゆ玉は少しずつですが、白くな
っていました。



ある日、おかあさんはまゆ玉の上
の方が、黄金色になっているのに
気がつきました。



七月のある日の朝。
まゆの部屋に入ったおかあさんは
「あっ」と大声をあげました。
ねがえりすらうてないまゆが、部
屋の中をはいはいしていたのです。



おかあさんは夢をみているのでは
ないかと思いました。
でも夢ではありません。
まゆがはいはいして、おかあさん
の胸の中にとびこんできたのです。



「まゆ、よかったねー。おめでとう。
やっとはいはいができるようにな
ったのね」
おかあさんの目から、大粒の涙が
はらはらとこぼれました。


            つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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