かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女14


「この話は、今までだれにもした
ことがないの。
あなたのおとうさまにもね。
この話は、二人だけのひみつよ」



「おばさま、私はだれにもいわな
いわ。もちろんおとうさまにも・・・」
おばさまは、若いころの思い出を
かきつばたに話し、すっきりした
ようでした。
そして、きすげの花をみたおばさ
まは、少し元気になりました。



その後。
かきつばたは、何度か霧ケ峰へ行き
ました。
「おばさまに、きすげの花を・・・」と
いう気持もありましたが、「もう一
度山彦に会いたい」という気持が強
かったのです。
しかし、山彦には会えませんでした。


             つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090318#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html