かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女22


一年後。
山彦が、八島の湿原へ行ってみると、
沼のほとりにみたことのない紫色の
花が咲いていました。



花が咲いている場所は、初めてかき
つばたに出会った場所でした。
「かきつばたさんが、紫色の花にな
ったのかな?」
山彦は、ふとそう思いました。



すると・・・。
「山彦さん、こんにちは。
ひさしぶりね。私、この紫の花に生
まれ変わったの。
山彦さん、この花は何という花か知
っている? 



かきつばたというのよ。
きれいな花でしょ。山彦さん、毎年
この花が咲く頃、ここで会いましょ
うね」


                つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090326#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html