有明山に住む鬼・八面大王8
音は、大きなけやきの木の方から
聞こえてきます。
けやきの木にたどりつくと、褐色
の鳥がわなにかかっていました。
「山鳥だ。この森にも、山鳥がい
たのか。尾が短いから、めすかな」
弥助は、小声でつぶやきました。
山鳥は、わなから逃げようとひっし
にもがいています。
わなのまわりには、羽が何枚もとび
ちっていました。
よくみると、足から血がでています。
「だいじょうぶか、山鳥」
弥助は、山鳥に声をかけました。
「痛かっただろう」
そういいながら、弥助はわなをはず
してやりました。
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090430#p1
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有明山に住む鬼・八面大王1