有明山に住む鬼・八面大王


  有明山に住む鬼・八面大王11


「おっかあ・・・」
「何じゃ」
「おっかあ・・・おれ・・・」
「弥助、どうしたのじゃ」



「実は・・・」
「弥助。話してごらん」
「おれ、峠で、わなにかかった山
鳥をみつけた」
「何、山鳥がわなにかかっていた・・・と。
かわいそうに」



「それで、山鳥を逃がしてやった」
「そうか。山鳥もうれしかっただ
ろう。よかった、よかった」
さくは、ほっとした顔でいいました。



「おっかあ。それがよくないのじゃ。
おれ、山鳥を逃がしたかわりに、買
物の金を全部そこへおいてきた。
だから、買物ができなくなってしま
った」


              つづく



   昨日の分はこちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090503#p1



   初めて読んでくださったかたへ



   有明山に住む鬼・八面大王1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090424#p1