有明山に住む鬼・八面大王24
「あやといいます」
「あやさんか。いい名前だね」
「家族は?」
「父も母も、私が小さい時、病気
でなくなりました。
私は、たった一人の身内であるお
じにひきとられ、育ててもらいま
した。そのおじも・・・」
そういったきり、あやは、なぜか
黙ってしまいました。
「あやさん。そのおじさんも、な
くなってしまったのだね。
気の毒に・・・」
「はい。何年か前、おじは事故で
なくなりました。
猟師の鉄砲にあたりなくなりました」
「・・・ということは、あやさんは、
一人きりになってしまったのだね」
「はい」
「それは、さみしいのぅ」
さくは、あやの話を聞き、一人では
さみしいだろうなと思いました。
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090516#p1
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有明山に住む鬼・八面大王1