竜の姿をみた少女2
「そうか。とうちゃんも、しらかば
湖でつりをしていた時、『おっかあ、
おっかあー。どこにいるー』という
声を聞いたことがある」
「だれの声なの」
「妻をさがして歩く三郎の声だとい
われている」
「三郎って、だれ?」
「大昔、たてしな山のふもとに住ん
でいたという三郎だよ。
三郎はね、なぜか竜になってしまっ
たのだよ」
「竜に? とうちゃん。しらかば湖
に、竜がいるって、ほんとう?」
「さあなぁ。村には、竜がいるとい
ういいつたえがあるが、竜の姿をみ
た人はだれもいないからね。
でも、しらかば湖には、竜がいるか
もしれないよ」
おとうさんは、夢みるようにいいま
した。
つづく
初めて読んでくださったかたへ
竜の姿をみた少女1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090604#p2
童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727