竜の姿をみた少女20
「私のために、わざわざ?」
「そう、わざわざきたのじゃ。
かなに会いたいと思ってのぅ」
「おじいさん。美しい竜をみせて
いただきありがとうございました。
竜があらわれた時は、びっくりし
ました。竜って、ほんとうにいる
んですね」
「ああ、いるとも。大昔は、どの
人も、かなのように心が美しかった。
疑うことを知らない、むじゃきな
人ばかりだったのじゃ。
だから、竜の姿をみることができた。
神様とも、話をすることができたの
だよ」
「えっ、神様と話をすることができ
たの?」
「そうじゃ。どの人も、神様と話を
することができたのじゃ。
ところが、いつしか心に曇りができ、
心が真っ黒になってしまった。
そのため、神様の姿をみることも、
神様と話をすることもできなくなっ
てしまったのだよ」
つづく
昨日の分は、こちら
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初めて読んでくださったかたへ
竜の姿をみた少女1
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童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727