竜の姿をみた少女26
「まちがった思いって?」
「自分さえよければ、人はどうな
ってもよいという思いじゃ。
その思いは、どんどんエスカレー
トしていく。
そういう思いがたくさん集まると、
自分の町さえよければ、自分の国
さえよければと、思いが大きくふ
くらんでいってしまうのじゃ。
そんな人間たちのまちがった思い
が、竜の世界にも、影響を与えて
いるのじゃ。
どの人も、まず人のことを考えら
れるとよいのじゃがのぅ」
おじいさんは、遠くをみながらい
いました。
「おじいさん。おじいさんの胸か
らもれている光は、何ですか」
「かなは、この光がみえるの」
「はい、みえます。黄金色の美し
い光がみえます」
「そうか。みえるのか」
おじいさんは、ふところから黄金
色の玉をとりだしました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090628#p1
初めて読んでくださったかたへ
竜の姿をみた少女1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090604#p2
童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727