女神さまとの約束15
山の北面には、火山が爆発した跡
があります。
「白駒。けわしいがけね。
下をみると、すいこまれそうね。
こわいわ」
ふくは、白駒にしがみつきました。
山頂には、たくさんの礫がころが
っていました。
白駒も歩きにくそうです。
礫と礫のすきまには、馬の顔の形
をした白い花が咲いています。
「白駒。この花は、なんという花?」
「コマクサですよ」
「コマクサ?」
「この花、私の顔ににているでしょ」
「ほんとうね。
白駒の顔にそっくりだわ。おもしろ
い形をした花ね」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091006#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1
「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。