女神さまとの約束


今、五冊目の童話集「竜の姿をみ
た少女」を、「鳥影社」で制作中。
12月10日頃、発売される予定。


信州諏訪の「風の神様」から聞い
た話。


収録される童話は、「竜の姿をみ
た少女」と「女神さまとの約束」。

 

   女神さまとの約束1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1



    「女神さまとの約束」より


秋になり、硫黄岳のふもとの木々
も、赤や黄色に紅葉しはじめました。



そんなある日。
「白駒、お願い。私を家へつれてい
って」
「ふくさん、女神さまとの約束を忘
れたのですか。
約束をやぶると、大変なことになり
ますよ」



「大変なことって?」
「女神さまとの約束をやぶると、ふ
くさんの命はありません。
私は、女神さまとの約束をやぶった、
何人もの人を知っています。
だから、ふくさんには、女神さまと
の約束を、ちゃんと守ってほしいの
です」



「私は、女神さまとの約束を守り、
けわしい岩場に残り、何百人もの人
をすくいました。
とうちゃんに会いたくても、じっと
がまんしました。



ねぇ、白駒。三日くらい家に帰って
もだいじょうぶでしょ。
すぐここへもどるから。
白駒、お願い。私を家へつれていって。
どうしても、とうちゃんに会いたいの」
ふくは、必死で白駒にお願いしました。
 


    表表紙




       裏表紙