竜神になった三郎11
「どうやったら、三郎をぎゃふん
といわせることができるかな」
二人は、何ヶ月もかけて相談しま
した。
兄たちがそんな悪い相談をしてい
るとは夢にも思わない三郎は、今
までどおり兄たちと仲良くしてい
ました。
山深い村にも、ようやくあたたか
な春がやってきました。
太郎と次郎は、今日もこそこそと、
悪い相談をしています。
「次郎や、たてしな山の奥に、人
穴があるそうだ。
その穴へ落ちると、二度と戻って
こられないそうだ。その穴へ、三
郎をつき落としてしまおうか」
「兄さん、そんなことをしたら、三
郎がかわいそうだよ。
三郎だって人穴のことは知っている
し、その計画はむりだよ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091216#p1
初めて読んでくださったかたへ
竜神になった三郎1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091207#p1
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
2004年4月、信州の諏訪大社の
「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」か
ら発行されました。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
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今回、「竜神になった三郎」の続編
として、みほようこの五冊目の童話
集「竜の姿をみた少女」が、鳥影社」
から発行されました。
http://www.bk1.jp/product/03220629
小学生のみなさんに、ぜひ読んでい
ただきたいと思います。