竜神になった三郎 - みほようこの日記

　　竜神になった三郎１５　

そして、やっと湖の真ん中あたり
にきました。
「三郎、疲れただろ。ご苦労だっ
たな。ここらでいいだろう。
天気も良いし、今日はたくさん魚
がつれるぞ」
兄たちは、なぜか上きげんでした。

三郎はひっしで舟をこいできたの
で、うでが疲れていました。
「あーあ」
三郎がせのびをしようとたちあが
った時、兄たちは「それ、今だ」と、
目くばせしました。

「えいっ」
兄たちは、三郎を後から力いっぱ
いおしました。
「あっ」
声をあげた時には、三郎はまっさ
かさまに湖におちていました。

　　　　　　　　　　　　つづく

　　　　昨日の分は、こちら。

　　　　初めて読んでくださったかたへ

　　　　竜神になった三郎１

童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。

２００４年４月、信州の諏訪大社の
「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」か
ら発行されました。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。

今回、「竜神になった三郎」の続編
として、みほようこの五冊目の童話
集「竜の姿をみた少女」が、鳥影社」
から発行されました。

小学生のみなさんに、ぜひ読んでい
ただきたいと思います。