井戸で鳴く黄金色のにわとり


  井戸で鳴く黄金色のにわとり8


「戦国の世でなかったら、松姫と
信忠はすてきな夫婦になっていた
だろうに。
むごいことじゃのぅ」
「そうですな」 



「それはそうと、信忠はいつ伊那
谷にせめてくるのじゃ」
「さあ、わかりません。戦の準備
をしておくようにとの知らせでご
ざいます」
信廉が、知らせにきた人と、小声
で話しています。



いとこの松姫さまは、婚約が破棄
されてからも、ずっと信忠さまの
ことを思っているらしい。
信忠さまが、信玄おじさまの城に
攻めてくると知ったら、松姫さま
はどんなに悲しむだろうと、るり
姫は思いました。


            つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100117#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。