井戸で鳴く黄金色のにわとり9
「いよいよ、戦が始まるのか」
姫は、城に住んでいる人々や、城
下の人たちのことを心配しました。
「吉岡城の下条が、織田に降参し
たらしい」
「松尾城の小笠原も、降参したそ
うだ」
「飯田城の保科が、高遠城へ逃亡
した」
こんな知らせが、毎日のように、信
廉の元へ届きました。
「いよいよ、次はわが城か」
信廉は、小声でつぶやきました。
「城代さま。大変でございます」
天守閣でみはりをしていた人が、信
廉の部屋へとびこんできました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100118#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。