井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり20


姫も、にわとりを胸にだき、城の
中をあちこち逃げまわりました。
しかし、どこへ逃げても、城の中
は火の海でした。



「く、くっ、く」
にわとりが、苦しそうに鳴いてい
ます。
「こっこ。がんばってね」
姫は、にわとりをはげましました。



夜になりました。
「みなのもの、これ以上城にいて
も無駄じゃ。
これから、みんなで故郷の甲斐へ
もどる。旅の用意をせいー」
信廉が、城内にいる人々につげま
した。
人々は、急いで旅の用意をしました。


             つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100129#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。