井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり11


戦でこわいのは、火事。
火事になれば、手のほどこしよう
がありません。
城では、火を消すための水が、大
量に用意されました。



「ぱか、ぱかっ、ぱか」
織田軍のひづめの音が、だんだん
に近づいてきます。
「ひひーん」
「ひひーん」
馬のなき声も聞こえます。



「おー」
「おぅー」
兵士たちのさけび声も、風にのっ
て聞こえてきました。



信忠のひきいる織田の軍勢は、数
万。こちらは、たったの千人。
援軍が到着しても、せいぜい一万
でした。
 

           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100120#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。