古事記神話「古事記物語」


    大国主命
           
  稲羽のしろうさぎ 5


そこへ通りかかったのが、大国主命
「うさぎよ、なぜ泣いているのだね」
「わしは、淤岐(おき)の島に住ん
でいたうさぎです。 なんとかして
本土へ渡りたいと思い、鰐(原文では
和迩 鮫の類?)をだましました」



「どうやって、鰐をだましたのじゃ」
「おまえとわしの仲間、どちらが多い
か、比べてみようじゃないか。 あの
気多の岬まで、一列に並んでごらん。
そうすれば、わしが数を数えてやる
から」


     つづく