古事記神話「古事記物語」


  大国主命


  やきもちをやく須勢理比売 6



綾織りの帳がひらりとたれている
下で、カラムシの寝具の柔らかな
下で、タクの寝具のざわざわ鳴る
下で、淡雪のような私の白い胸を
やさしくだいてください。 



そして、私の手を枕にして、ゆっく
り足をのばしておやすみください。
さあ、お酒を飲んでくださいな。



こんな意味の歌を詠むと、二人は
杯をかわし、夫婦のちぎりをかた
めました。



その後。
大国主命と須勢理比売は、今も出雲
の国で仲良く暮らしています。


     つづく